親が運転免許を自主返納する前は、交通事故のニュースを見るたびに胸がざわつきました。「加害者は高齢ドライバーではないか」「もし自分の親だったら…」と考え、親に免許返納を促す責務と不安を常に感じていました。
そして、無事に親の免許返納が済んだ今。
交通事故のニュースを見て胸がざわつく理由は、別の不安に変わりました。
仕事の影響が強くありますが、その不安は、「加害者は外国人ドライバーではないか?」ということです。
外国人ドライバーが道路を走る時代に
近年、労働力人口の減少を背景に、自動車運送業でも外国人材の受け入れが始まっています。2024年3月に自動車運送業が特定技能の対象分野に追加され、実際に企業から「受け入れを検討したい」という相談が増えています。外国人ドライバーはこれから確実に増えていくでしょう。
特定技能でドライバーになるには
制度上、特定技能でドライバーとして働くためには、ざっくりですが、
・日本語能力を証明する試験の合格
・自動車運送業分野の特定技能評価試験に合格
・日本の運転免許を取得
が必要です。受け入れ側にも要件があり、制度として一定の基準が設けられています。
ただし、同じ「日本の免許」でも前提が違う
ひとことで「日本の運転免許取得」と言っても、方法によって前提が異なります。
① 日本の教習所に通って取得
→ 日本で暮らしている外国人が、日本のことをよく知って取得するケース
② 外国の免許を日本に切り替える(外免切替)
→ 母国の運転文化をベースに免許を切り替えるケース
この外免切替については、2025年10月に制度が改正され、厳格化されました。
前者①であれば、日本の交通ルールや安全意識、日本の習慣や文化など、日本での生活体験を重ねながらの免許取得ですが、後者②は、ドライバーとして働くために来日する場合も多く、日本での生活経験が浅いまま運転業務に入るケースが考えられます。出身国や地域ごとに交通事情・安全観念、文化・習慣に差異があることを踏まえると、受け入れ企業として慎重に検討すべきポイントが残ります。
特定技能の受け入れ分野は複数ありますが、自動車運送業分野では、安全管理や事故時の責任体制を含めた運用面をどのようにしていくか、受け入れについては、他の分野以上に慎重な判断が求められる分野だといえるでしょう。
「本当に運転を任せられるのか」
不安は、社会の変化のサイン
交通事故のニュースを見て抱く不安が
高齢ドライバー → 外国人ドライバー
へと変化したということは、社会が静かに動いているサインだと思います。
制度は動き、道路を走る人の構成も変わりつつあります。
”怖い” ”危ない” という感情だけではなく、どの制度で、どの条件で、誰が運転しているのかという点についての理解とあわせて見ていく必要があると思います。
2026.1.28