日々是好日

今日はどんな日 行政書士ユウコの徒然メモ

業際

本日のタイトルは「業際 (ぎょうさい)」。多くの方にとって 聞き慣れない言葉だと思いますが、士業と呼ばれる「士」の字を有する職業(弁護士、司法書士、税理士、社会保険労務士など)の間では日常会話でよく出てくる言葉かと思います。

では、「業際」とは何かというと、各士業の業務分野の「際(きわ)、すれすれのところの意味」と、読んで字の如くの意味で用いられています。各士業の業務内容は法令によって定められているため、他の士業の業務に踏み入ってしまうと法令違反となり、事由によっては「訓告」「廃業勧告」「行政書士会員権の停止」等の処分を受け、業務ができなくなってしまう恐れがあるのです。そのため「業際」は士業にとっては大事な掟です。

行政書士登録後の研修で「業際」について学んだものの、初めの頃はご相談いただいて即座に「業際問題有り」と判断できず、内容について先輩に相談する過程で気づくことがありました。例えば、

①法務局に提出する書類の作成 ②就業規則の作成

①、②のご相談、共に「書類作成」なので行政書士の業務分野のように見えるかもしれませんが、①は司法書士、②は社会保険労務士の業務となっております。「できるでしょう?やってください」と嬉しいお言葉を頂きながらも私が各専門家にバトンタッチをするのは、決してやりたくないお仕事内容だからではありません。「業際」という掟があるのだとどうかご理解くださいませ。

当然のことではありますが、各専門家にお任せしたほうがご相談者にとってより良い結果を導くことになるのは言うまでもありません。そのために各士業は日々専門分野について勉強し経験を積んでおり、他の士業との情報共有にも努めております。つい先日「雇用調整助成金の申請」、「家賃支援給付金の申請」のご相談を頂きましたが、前者は社会保険労務士の業務分野となりますので、バトンタッチいたします。ご相談者さまのお困りごと解決のため他士業の先生にしっかりとバトンを渡すためにも、他士業の先生方の業務分野を知ることは重要だと感じています。

このような内容を書きますと、ご相談の際に誰(どの士業)に相談したらよいか迷われてしまうかもしれませんが、臆することはありません。行政書士が取り扱えないお仕事であっても、他士業の先生のご紹介を含め、お客様のお困りごとの解決に向けてお手伝いさせて頂きますので、お気軽にご相談ください。

2020.12.16